風を探して(帰路)

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『空の石』

川原で石と遊んだ。
丸い石、
ごつごつした石、
色も形も様々だ。

『青い石があるよ。』ときみが言う。
そんなに青く見えなかった。
広瀬川の水で濡らしたら、
その石は青くなった。

『どうして青くなったの?』ときみに聴く。

『その石が青く見えるのはね、
 コバルトって言ってね、空が青く見える成分が、
 ちょっとだけ、閉じ込められているんだよ。
 空を、コバルトブルーって表現するでしょ?
 その石の中にはね、
 空や宇宙にある物質が入っているんだよ。』

『じゃあ、この石の中に、空が入ってるの?』ときみに聴く。

『そうだよ。』ときみが優しく笑った。

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『時のほとりに』

杜の都に風が吹く。
秋麗の、陽ざしあふれる昼下がり。
少し離れた郊外の、
雑居ビルの一階に、
素敵なカフェに行ってみる。
しばし、時を忘れよう。
お店の前の壁際に、
W650を停めてみた。

入り口を入ると、正面にピアノ。
右手に置かれたコントラバスが、
マスターと共に迎えてくれる。

カウンターには、素敵なグラスとカトラりー。
窓から差し込む陽の光。
旅先の、こんな素敵な昼下がり。

街路樹に、絵の具が少しだけついている。
黄色い絵の具だ。

詩人の話、
画家の話、
音楽の話、
貝殻に描いた下手な絵の話…。

時間が足早に過ぎて行く。
時は止められない。
だから、心に時を刻もう。

アイス・カフェラテと、チーズケーキ。

アイス・カフェ・ラテのストローを、
くるん、くるんとまわしてみた。

グラスに挿したストローが、
一輪挿しの花を思わせる。

アイス・カフェ・ラテの氷が、
『からん、からん・・・』とグラスにあたり、
ちょっとだけ、鈴のような音がした。
グラスの中で、風が生まれた。

お店を出た。

Wに跨る。
ヘルメットをかぶり、
キーを挿す。
グローブをはめた。
エンジンを掛ける。
サイドスタンドを地面から離した。
アクセルを開ける。

さあ、行こう!
Wが走り出す。
風になろう。
杜の都を渡る風。

杜の都を走り去る。
そんな風になってみたい。
そう、そんな風になるのだ。

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